風俗店員やってました・19

業者から届けられてきたタオルを折りたたんでいく作業をしていると

ミクという子がやって来た

マットの置き方や加湿器の置き場所など部屋のセッティングにうるさく

ローションの濃さなどにもこだわりのある玄人っぽい女のコだ

タオルを数枚欲しいというので手渡すと

「行政書士もってるんでしょ?」と話しかけてきた

いつもは事務的に接するのみで、個人的な話はした事は無かったので

少しびっくりしつつ

「はい、持ってます」と答えると

「私、今年の行政書士試験受けるの」と続けてきた

少し話をしてからミクはタオルを抱え部屋へ戻っていった

何で自分が行政書士持ってるのを知っているんだろうと不思議に思っていると

一人のスタッフが現れた

大和という小柄で人当たりの良い男だ

彼にさっきの事を言うと

「あ、俺がミクに言ったんだよ」

「ミクが行政書士受けるんだって言うから、ウチに持ってるのいるよって」

そうだったんだと納得していると、彼は続けた

「偉いよな。シングルマザーで働きながら勉強しているんだよ」

いい年をして親に生活の面倒を見てもらいながら

試験に望んだ自分と比べると、彼女は凄いなと思いつつ

この世界は色々な事情を抱えた女性がいるんだなと今更ながら思った

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